パターン、Wiki、XP ~時を超えた創造の原則 (WEB+DB PRESS plusシリーズ)

夏休みの旅行中に読みました。私たちの関わるソフトウェアの世界にこんな素敵な地下水脈があった事を教えてくれる歴史読み物です。この秋にはぜひ読んでみたい一冊です。


パターン、Wiki、XP ~時を超えた創造の原則 (WEB+DB PRESS plusシリーズ)

パターン、Wiki、XP ~時を超えた創造の原則 (WEB+DB PRESS plusシリーズ)

建築家アレグザンダーが建築の中に追求してきた「6つの原理」「パタン・ランゲージ」がソフトウェアの世界に輸入され「デザインパターン」や「eXtreme Programming」になり、さらに Wiki というWebソフトもその延長上に生まれたという歴史の流れが書かれています。

この流れに付いての話は、著者 江渡 浩一郎さんのオブジェクト倶楽部やRubykaigiでの講演、さらにインスパイされた角谷さんのプレゼンなどで何度も聞いてきました。しかし、私の ぼんくら な脳みそにはこの歴史の意義やそこに込められたアレグザンダーの思想はピントきていませんでした。 (江渡さんスイマセン --- 本人の前でもそんな事を言ったようなきもします ^^;)


しかし、今回この本を読んでやっと納得できました。やはり私くらいの人には、この本くらいにじっくりと語ってくれる中から、自分なりにアレグザンダー思想→パターン、Wiki、XP を 追発見していけるのがとても良かったです。最近は技術書やビジネス書のように結論のみが重要な本ばかり読んでいた私には(これも本人の前でもそんな事を言ったようなきもします ^^;)
久しぶりに本の良さを確認させてくれました。



さて、この本は歴史書ですが、実は過去で完結していません。それはやはりアレグザンダーが提唱した「無名の質」によるものだと思います。たしかにそこに存在するのだが言葉では明確に表せないもの・・・・・ Rubykaigiの角谷さんのプレゼンでは Ruby言語やRubyコミニュティーにたいしての「無名の質」を語っていたような気がします。

私も最近、Lisp教育の提案資料を書いてみて。 Lisp言語やLisp文化も 「無名の質」なのでは? と思ってしまいました。多くのLisperがLispの良さを語り、Lispに憧れるエンジニアはたくさんいますが、Lispの本質を言葉で語るは難しい気がします。