プログラミングHaskell は 超お薦め!

この本は、Haskell の入門書として、超お薦めです。 「木を見て森を見ず」という言葉がありますが、従来のHaskell入門書というか、言語の入門書は 「木」の解説ばかりで、「森」を見失っていたのではないかと思います。

今まで何冊ものHaskell入門書を読みながらモヤモヤとした気分のままだった私も Haskellに 一歩近づけた気がします。

プログラミングHaskell

プログラミングHaskell

Haskell は 参照等価、遅延評価、パターンマッチ、モナド・・・ など、C、JavaRuby ... とは大きく異なるプログラミング言語です。 Javaを理解している人がRuby を学ぶ際には 「木」の違いを学ぶ事で、一応 Ruby でプログラミング出来るようになりますが、 Haskell の場合は「木」ばかり学んでもプログラムできるようにならないのでは?と思います。


この プログラミングHaskell は、Haskell の言語仕様や機能別に 解説するのではなく、小説のように 全体のストーリーの中で Haskell という言語を解説しています。
例えば 8章9章は モナドの説明ですが モナドとは・・・ という始まりではなく、関数型パーサーを作る中で高階関数をこのように組み合わせると便利、という流れでモナドモナドと呼ばずに導入し理解できるようになっています。
さらに、説明の中で出てくるコードも数行ではなく、各章ともにそれなりの大きさをもつコードが使われていて、取って付けたような感じにならないのが素晴らしいと思います。

また、12章では遅延評価について詳しく、その仕掛けについても解説してあり Haskellのモヤモヤ感がだいぶ晴れてきた気がします。


しかも、200ページ程度と薄く、本当に素晴らしいHaskell入門書だと思います。




この本の欠点を上げるとすれば、(Haskell nightで訳者の方も触れていますが) Haskellのコードが数学的な記号で書かれている事でしょうか。数学アレルギーのある人には向かないかも知れません ^^);
(普通に実行出来るコードは Programming in Haskell に書かていますので、安心して下さい)