たまには開発者もネットの勉強をしよう「ウェブ×ソーシャル×アメリカ」

あのスティーブ・ジョブズの感動スピーチ の最後で語られる"Stay hungry, Stay foolish" の話に出てくる The Whole Earth Catalogue に付いて私はぼんやりとしたイメージしか持っていませんでしたが、それが1970年代、ジョブスだけでなく当時のカウンターカルチャーの中で生きた若者に与えた影響、そしてそれがウェブの原型かも知れないという話には大いに興味を持ちました。さらに、その元になるアメリカ人の精神/文化を19世紀まで遡ったりと、インターネット/ウェブに関わってる人間としては大変に興味深い内容です。

ウェブ×ソーシャル×アメリカ <全球時代>の構想力 (講談社現代新書)

ウェブ×ソーシャル×アメリカ <全球時代>の構想力 (講談社現代新書)


この本はキャッチーなタイトルとそれに付いて1ページ程度で語るスタイルで書かれています。 読みながらメモした事の一部

  • ネット上で起きることは発明ではなく開発
  • コンピュター・ネットに大きな影響を与えたサイバネティクスという言葉はギリシャ語でかじとりの意味
  • 現在のネット文化はヒッピー、カウンターカルチャーから生まれたものが、社会と折り合えを付け、メインストリームになった
  • 1966年当時は宇宙から写した地球の写真は公開されてなかった!
  • 代表的な企業 Googleの前CEO, AppleのCEOはまさしくカウンターカルチャーの中で育った
  • 彼らの目指したものは、ほぼゴールが見えてきた、「これからのネットは?」がこの本のテーマらしい
  • Facebookザッカーバーグは明らかに彼らとは違う世代
  • ー世代は30年
  • ザッカーバーグはローマを作ったアエネーイスが好き : Facebookは新しいローマ帝国
  • アメリカではEnterprise(企業)には変革を期待されている
  • 理想的な企業は TwoTop ビジョナリーと実務者 : 昔いたベンチャー企業はたしかにビジョナリーの社長とそれを実務に落とす専務とがいた
  • BOP(貧困)世界で考えてみると先進国では普通の変化が、ラジカルに社会を変える
  • Webは必然的にGlobal
  • 米国で一番多いのはドイツ系民族 : へー
  • ハードが決めるデザインから、デザイン中心、そして問題を解決するデザインへと変化している
  • プロデューサーシステムのソフト開発会社ってあるのかな?


たいへん刺激的な本ですが、残念ながら私には6章以降が良く理解出来ませんでした ^^;
トランセンデンタリズム、トグヴィル、ヴィーゴ、マクルーハン・・・ 作者の頭の中にある事の説明が、思想へのポインターばかりで私の頭脳の容量を超えてしまいました。

また、そのうちに読み返してみたいと思っています。