「世界史の誕生とイスラーム」は素晴らしいイスラム・アラブの入門書では
最近、週3日間は通勤してるので本が読めます^^)
- 作者: 宮崎正勝
- 出版社/メーカー: 原書房
- 発売日: 2009/03/17
- メディア: 単行本
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第一章の始まりに、
現在は、「歴史の復権の時代」とみなすことができる。世界は、イラク戦争、中国経済の急成長、アメリカの証券バブルの破綻などが連動して動いており、19世紀以降の欧米勢力の主導により築き上げられた世界構造が変動する予兆もある。あるいは、すでにその課程にかなり踏み込んでしまっているのかもしれない。
と書かれています。実は西洋がづっと世界の中心だったわけではありません。これからの時代は、また西洋ではなくイスラムが世界史を進めて行くのかもしれません。
しかし、私達はイスラム教やイスラムの国々に付いてあまりにも知りません。
この本は、聖徳太子とほぼ同年代に生きたモハメッドがイスラム教を生み出してから、ウマイヤ朝、アッバース帝国、そしてモンゴル帝国という鎌倉時代くらいまでのイスラムの大帝国の歴史、社会、文化について読みやすい文章やたくさんの図版とともに説明してくれます。
- 砂漠は灼熱地獄ではなく、そこを知っている者にとっては海のように障害物がなく交易に適している
- アラブの遊牧民には略奪や戦争は勇気のあかし
- イスラム教は、商人の宗教
- 北欧のバイキングとアラブは北欧の大河を通じて交易していた
- 最初は軍事力で拡大した帝国は、経済の時代へと移行し長続きした
- イスラムの帝国はヨーロッパ人の忘れてしたまった、ギリシャ・ローマーの学問をはじめたくさんの海外の本を翻訳して学んでいた
- それが、イタリアなどに伝わりルネッサンスへと繋がった
本当に、驚くような事がたくさん発見できる、素晴らしいイスラム・アラブの入門書だと思います。